労働条件明示書と雇用契約書の違いについて

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従業員を雇用する際に、労働条件を明示するために交付しなければならない労働条件明示書ですが、雇用契約書や就業条件明示書とはどう違うのでしょうか?

このページで詳しく解説します。

労働条件明示書とは

労働条件明示書とは、企業が従業員を雇用するにあたって交付しなければならない書類の一つであり、雇入通知書と呼ばれることもあります。

一般に、企業が従業員を雇用する際には、「雇用契約」を結ぶ必要があります。雇用契約は口頭での合意でも成立し、書面で契約書を取り交わす必要はありませんが、賃金や労働時間といった労働条件については事前に明示する必要があります。

この労働条件は、具体的には13の項目を含み、箇条書きにすると、

  • 労働契約の期間
  • 就業場所および従業する業務
  • 始業・就業の時刻、所定労働時間を超過する労働の有無、休憩時間や休日・休暇および労働者を2組に分けて終了させる場合の就業時間の転換
  • 給与・計算方法・支払方法・賃金の締日・支払時期・昇給
  • 退職・解雇
  • 退職手当が適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算方法・支払方法・支払時期
  • 臨時で支払われる賃金、賞与、これに準ずる賃金・最低賃金額
  • 労働者に負担させるべき食費や作業用品その他の事項
  • 安全・衛生
  • 職業訓練
  • 災害補償・業務外の傷病扶助
  • 表彰・制裁
  • 休職

となります。このうち、1・2・3・5番目の項目、つまり、

  • 労働契約の期間
  • 就業場所および従業する業務
  • 始業・就業の時刻、所定労働時間を超過する労働の有無、休憩時間や休日・休暇および労働者を2組に分けて終了させる場合の就業時間の転換
  • 退職・解雇

については、書面にまとめたものを交付しなければならないと労働基準法第15条および労働準法施行規則第5条に定められており、この書面が労働条件明示書に当たります。

参照元:厚生労働省|労働基準法の基礎知識
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/150312-1.pdf

雇用契約書との違い

雇用契約書とは、企業が従業員を雇用する際に結ぶ「雇用契約」を書面にまとめたものです。

すでに触れたように、雇用契約を結ぶにあたっては、口頭の合意でもとくに問題ありません。しかし、雇用契約書を交付することで、労働条件についての理解の相違から後々に従業員とトラブルになるのを避けることが出来ます。

労働条件明示書と雇用契約書の主な違いとしては、以下の2点があります。

  • 法的な交付義務があるかどうか
  • 署名捺印があるかどうか

労働条件明示書は必ず交付する必要がありますが、雇用契約書はそうではありません。また、労働契約書を交付する際には、企業と従業員それぞれが保管できるように2通作成した上で、署名捺印をするのが一般的です。

就業条件明示書との違い

労働条件明示書は企業が従業員と労働契約を結ぶ際に交付が義務となる書類ですが、就業条件明示書は、人材派遣会社が派遣社員と労働契約を結ぶ際に交付しなければならない書類です。

就業条件明示書では、

  • 業務内容
  • 業務にあたっての責任の程度
  • 事業所の名称および所在地、組織単位
  • 派遣の期間
  • 始業・終業時間、休憩時間
  • 派遣労働者からの苦情処理に関する事項

などを明記する必要があります。ただし、派遣労働者の場合、就業条件明示書と就業条件明示書とで重なる部分が多いことから、両方を兼ねた「労働条件通知書兼就業条件明示書」を交付することもあります。

労働条件明示書の対象者

労働条件明示書は、正社員はもちろん、パートスタッフやアルバイトスタッフ、派遣スタッフ、日雇いスタッフまで、雇用形態を問わず従業員を雇用する際には必ず交付する必要があります。

また、部署によって勤務先や勤務時間が違うという場合であっても同様です。それぞれの従業員の具体的な労働条件に則って労働条件明示書を作成しなければなりません。

労働条件明示書の作成方法

労働条件明示書の作成にあたっては、特定の書式が定められているわけではありませんが、厚生労働省が業種別に記入例を配布しています。

ここでは、「一般労働者用 常用、有期雇用型」向けの記入例を参考に、それぞれの項目のについて見てみましょう。

  1. 契約期間
    期間の定め有無、および、期間の定めがある場合には、期間の長さ、契約更新の有無、契約更新にあたっての判断基準を記載します。
  2. 就労場所
    就労場所を記載します。
  3. 業務内容
    具体的な業務内容について記載します。
  4. 始業、終業の時刻・休憩時間・就業時転換
    始業時間および終業時刻、休憩時間、シフト制などによる就業時転換の有無、所定時間外労働の有無について記載します。
  5. 休日
    定休日があれば曜日を、シフト制などにより非定休日であれば一週間・一カ月当たりの休日数を、1年単位の変形労働時間制の場合には年間の休日数を記載します。
  6. 休暇
    有給休暇、代替休暇、その他の休暇について記載します。
  7. 賃金
    月給・日給・時給・出来高給といった賃金体系に沿って実際の賃金を記載します。また、手当の額や所定外労働の際の割増率、賃金の締日、給与の支給日、支払方法も記載します。
  8. 退職
    定年制の有無や、定年制がある場合には定年となる年齢、継続雇用制度の有無、自己都合退職の手続き、解雇事由など、退職に関する事項を記載します。
  9. 福利厚生
    社会保険の加入状況や雇用保険の適用の有無など、福利厚生に関する事項を記載します。

2024年から追加される労働条件明示事項

「労働基準法施行規則」、および「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の改正に伴い、2024年から労働条件明示書に記載しなければならない項目が追加されます。 具体的には、

  • 就業場所・業務の変更の範囲
  • 更新上限の有無と内容
  • 無期転換申込機会/無期転換後の労働条件

の3点が追加されます。

参照元:厚生労働省|2024年4月から労働条件明示のルールが変わります
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156050.pdf
参照:厚生労働省|2024年4月からの労働条件明示のルール変更 備えは大丈夫ですか?
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156048.pdf
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