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このページでは、社会保険の適用拡大について、基礎知識や適用拡大の理由、対象となる派遣社員、2024年からの変更点について解説しています。
法改正により、2022年10月1日から社会保険の加入条件が変わりました。
短時間労働者を社会保険に加入させる必要のある企業規模要件が、従業員数500人超から100人超の企業に引き下げられたもので、2024年には50人超の企業に適用されます。
これにより、これまで加入していなかったアルバイトやパート従業員、派遣社員の方も社会保険の加入対象に含まれる可能性があります。
ここで言う「短時間労働者」とは、同じ事業主に雇用されている通常の労働者、つまりフルタイムで働く方の労働時間よりも、勤務時間が短い労働者です。
フルタイムではなく短時間勤務であれば、嘱託や契約社員、臨時社員、準社員などもすべて短時間労働者とみなされます。
なぜ今になって、社会保険の適用が拡大されたのでしょうか。
近年、テレワークの浸透や在宅勤務などのワークスタイルの多様化によって、フルタイム勤務ではない働き方を選ぶ方が増えてきました。
今回の法改正は、そのような短時間労働者の社会保障を手厚くしつつ、より多くの労働者が社会保険に加入できるようにすることを目的にしたものです。また、日本では人口減少や少子高齢化が進む中で、積極的に働く女性や高齢者も増えてきています。
多くの方に社会保険を適用することによって、短時間労働者でも傷病手当や出産手当などの社会保障が受けられるようになるほか、年金財政の改善や将来の給付水準の改善を図るのも目的のひとつと言われています。
派遣社員で対象となるのは、従業員数100人超の企業で働く、以下の要件を全て満たした方です。なお、2024年には50人超の企業に対象要件が引き下げられます。
これまで通り、雇用契約期間が2か月以上ある方に加え、最初の契約期間が2か月未満であっても今後雇用が見込まれる方は対象となります。派遣社員を雇用する際、雇用契約書などで「更新される」や「更新の可能性あり」などが明示されている場合、入社したてであっても適用拡大の対象となります。
週の所定労働時間が20時間以上ある方は、社会保険の加入対象となります。ただし、ここで言う所定労働時間とは、雇用契約などで定められた労働時間です。残業時間は含まれない点には注意が必要です。
基本給や諸手当など、雇用契約であらかじめ定められた賃金が月額8万8,000円以上、年収で106万円以上の場合は、社会保険の加入対象となります。
ただし、残業代や賞与、慶弔見舞金など、臨時で支払われる賃金や手当はこれに含まれません。
そもそも学生は社会保険の適用外ですので該当しませんが、夜間や通信、定時制の学生はその限りではないため注意が必要です。
例えば、通信制課程の大学に在籍するアルバイトは対象となる可能性があります。また、卒業した後も引き続きその事業所で働くことになっている内定アルバイトなどの場合、月額賃金が8.8万円以上であれば、アルバイトとして働きはじめる日から社会保険の加入対象となります。
2022年10月より、従業員数101人以上の企業が社会保険の適用拡大の対象となりました。
2024年10月からは、従業員数51人以上の企業に適用対象が広がります。今は適用拡大の対象でない企業も、51人以上の従業員がいる場合、対応を余儀なくされるため注意が必要です。
派遣元企業は派遣社員の雇用元となるため、社会保険の加入手続を行わなくてはなりません。もし社会保険の加入対象者となる人が国民健康保険に加入していた場合、脱退する手続きをとって、あらためて社会保険の加入手続きを行う必要があります。
「扶養内で働きたい」など、派遣社員によっては社会保険に加入したくない場合もあるでしょう。このようなときは、今回の適用拡大の加入条件を満たさないよう、対応に配慮する必要があります。
社員を多く抱えているなど、ケースによっては派遣会社ごとの管理が難しくなる可能性があります。派遣社員を管理する人員を増やすか、保険加入証明の共有ができる派遣管理システムの導入を検討するのもひとつの手です。
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